先週発売。Leqtiqueより、
MAR以来の新製品です。
2010年に発売されたLeqtiqueの第1弾作品
“Maestro Antique Revised(MAR)”は、TubeScreamer(TS)の中でも特に評価の高いIbanez“TS10(初期モノ)”に見られる芳醇な中音域を持ち得た最高級のTSであり、価格が破格の14700円だった事も衝撃でした。
今回の“Maestoso(MAT)”は、TS系の歪みでありながらゲインレンジを拡張し、ローエンドを強化した作品とのこと。
そして今回も1万円台の衝撃的なコストパフォーマンスになりそうです。
という訳で早速試奏です。現行のTS9と比較して鳴らしました。
このMAT、ゲインを絞って使うとTS系オーバードライブ、ゲインを上げるとディストーションサウンドになります。
ローゲインで使用した場合、TSと音色は非常に似ていますが、中低音が自然な感じで持ち上がっていてTSよりガッツがあるサウンドです。
なんだよ、ガッツて。
この中低音のおかげで、例えばストラトのリアPUで弾いた場合でもペラッペラな出音にならず、使えるサウンドになります。
ちなみにTONEつまみはフルテンでもキンキンにならず、煌びやかで更に使える出音に落ち着いてなかなか良い感じでした。
で、これだけでも充分に使えるTS系エフェクターとして値段以上の価値はあるのですが、更に凄いのはゲインを上げてからです。
誤解を恐れずに言います。
このエフェクターは、マフ系です。
まったくもってファズ・ディストーションのサウンドですよ、コレ。
・・・正確に言えば、ラムズヘッドのガラガラしたファズっぽい粗さは無く、粒がやや細かくてシルキーな具合ではあるのですが、メタル系ディストーションな風合いでは無く、むしろこの轟音っぷりはマフ系でよく聴かれるファズ・ディストーションのサウンドだと思います。
しかも歪みが素晴らしく芳醇です。
フルテンで使えばスカッと心地良い中音域で、コードの分離感も素晴らしい轟音に聴き惚れますわ。
で、このハイゲインの歪みに似たエフェクターを探したところ、コレでした。
Big Muff系の最高傑作としても挙げられる事の多い傑作、
トップトーンのDG-1。
いや、比較しつつ弾いてみたんですが、本当にソックリです。どちらも心地良く、DG-1の方が僅かに高音の抜けの良さがあるって程度でしょうか。
以上、試奏の結果はこんな感じです。
ローゲインで使用すれば中低音が強化された使えるTS系、
ハイゲインで使用すれば轟音の心地良い最高のマフ系、
そんな歪みが先週1万円台で発売されました。
これは本当に凄いと思います。
短所としては、ハイゲインで使うとやはりノイズがデカいです。弾かなくてもビービー鳴ってます。
まぁマフ系として考えるならノイズは付きものですけどね。でも気にする人は気になるか。
あとゲインレンジが広いせいで、ローゲインで使用する際にツマミの調整幅が狭くて設定が少し難しいです。
とは言え、誰にでも非常にオススメできるエフェクターだと思います。大変素晴らしいです。
これほどのブツは年に何台も発売されません。買って損はないと思います。