ブラジルのジャズピアニスト、マンフレッド・フェストを中心としたトリオ。1966年発表。
簡潔に言うと、ビートルズ曲のジャズ・カバー集です。
…でも正直、ビートルズのジャズ・アレンジなんてのはそこらじゅうに溢れてて、興味のわかない類のブツです。
あと、ジャズといってもボサノバ・アレンジなので、正確にはジャズ・ボッサなります。
いよいよサブカル臭すらしてそうな気がしますね…何か、ヴィレ○ンの棚とかに賑やかしで置いてありそうな響きです。
ですがこのアルバムをネット上でたまたま聞いた時、洗練された演奏の技量とセンス、ジャズの痛快な機智を感じて、欲望のおもむくままに購入。
このアルバムは、凡百のジャズ・カバーものとは一線を画します。
そしてビートルズ抜きにしてもジャズ・ボッサの素晴らしいアルバムであり、傑作だと思います。
MANFREDO FEST TRIOによるジャズ・ボッサは、リズムが基本ハイテンポ且つ穏やかな心地良いグルーヴで、その上を鍵盤が緩やかに、そして軽快に跳ねます。
そしてこのバンドではベースが何とも良い仕事をします。気付いたらベースのフレーズに耳がいきますね。
以上、極上のアンサンブルでもって、ビートルズの楽曲をベースにジャズを奏でる、なんとも贅沢なアルバムです。
聴きづらさはほとんど無く、12曲30分がストレス無くスルッと聞けます。
家でネットしながら聴くのにも、外で道すがら聴く方のにもなかなか良い感じですね。何かしらイベントのBGMとしても良さそうです。