これはホント凄いです。
先に書いときますが、今まで自分が買ったり試奏してきた数多のフェイザーの中でも、この”Stage Phaser”はブッチギリで素晴らしいです。
そもそもフェイザーは、Maestro社のビルダーであったオーバーハイム氏が
ロータリー・スピーカーのサウンドを再現させるペダルとして1972年に作成し、大ヒットした”
PS-1”が始まりと言われており、そのMaestro”PS-1”の後継機がこの”Stage Phaser”になります。
ちなみにビルダーのトーマス・エルロイ・オーバーハイム氏は後にオーバーハイム・エレクトロニクス社を設立してシンセサイザーを作ったりしてます。
で、この”Stage Phaser”の魅力ですが、他のフェイザーよりも低音をえぐって来るようなガッツリと効いたぶっといサウンドに尽きると思います。
この動画でも掛かりの強さはわかるかと思いますが、体感的には更に強いです。
自分としては、フェイザーにおける
Uni-Vibeと言っても良いぐらいのエグさではないかと思ってます。
・・・まぁユニヴァイブの、内臓に食い込んでくるようなエグさほどでは無いですが。
仕様ですが、左のでかいツマミBALLSがかかりの深さ、右のSPEEDはまんま速さです。
あと筐体全体がON-OFFスイッチになってて、下の方をどこか踏めば切り替わります。
真ん中の黒くて欠けた月のような形の3wayスイッチは、左の1でSPEEDの5、真ん中の2で9ぐらいの速さになります。右のVARにするとSPEEDのツマミどおりの速さになります。
スイッチを1と2で使用した場合、オフからオンにした時に段々とスピードを上げながら自然にエフェクトがかかり、オフにした時も減速しながら自然にエフェクトが落ちます。ええ、もちろんバッファー有りです。
で、このバッファーも素晴らしくて、ペダルに通しただけで強く、太く、ハリのあるサウンドにしてくれます。
ええ、それはまるで同じMaestro社の”Echoplex”を彷彿とさせます。
と言っても、ペダルの中が開けられそうにないんで同じ回路やパーツなのかはわからんですが。とにかくバッファで良い方向に出音が変わります。
この”Stage Phaser”と手持ちの他のフェイザーで色々と比較してみても、せいぜい中音域までしか掛かりが潜っていかない上に低音も効いてない様な印象で、キャラが違って比較にならない感じだったのですが、かろうじて比較できそうだったのが中国製の安エフェクター、
Xvive“V6 PHASER KING”でした。
抜けの良さで違いが出てますが、音色は結構似てます。かかりもわりと深いですし。
コストパフォーマンスを含めるならば勝ってるかも知れんです。
ですが”Stage Phaser”は低音まで深くもぐって揺らして立体感すら感じるエグさが嫌味にもならず、ただ心地良さになっている素晴らしさで、これに敵うペダルは、買ってからしばらく経ちますが結局まだ見つかっていません。
気に入らない部分があるとすれば、筐体がデカくて持ち運びに不便な点ですね。他は文句無いです。
以上、ビンテージ品で値段も高いものですが、試奏すべき逸品です。
おそらくフェイザーに対する価値観が変わると思います。