慶応大学出身のバンドによる2001年発表のアルバム。バンドは同年に解散。
BOATの”RORO”は、日本のロックにおける傑作として長く語られるべきアルバムでした。
特に1曲目の“ALL”は、ゼロ年代の日本のロックにおける名曲として今も多くの人に聴かれるべき作品でした。
ですがそうはならなかったし、このアルバムを入手することはほとんどできなくなりました。
音楽の定額配信により多くの廃盤が日の目を再び見た昨今でも見かけることはありません(少なくともamazonとspotifyには無かった)。
その一因を考えるなら、過去のファンキーでパーティーソング中心だった作風から離れてストイックな方向性に向かったのが評価を混乱させる結果に繋がったかも知れません。
(こちらが以前の作品で、自分が当時見たライブでもこんな感じでした。)
正直に言えば自分も当時このアルバム“RORO”を聴いて、以前よりおとなしくなったなぁとか、1曲目は凄いけど全体的に長いなぁ程度にしか考えていませんでした。
今聴き直すと、21世紀以降のロックを見据えたポストロックで、プログレッシヴであるとすら感じます。
それと同時に、バンドが元々ジミ・ヘンドリックスのコピーバンドであった出自を感じさせるサイケデリックさも内包し、堂々たるロックアルバムとして完成されています。
おそらくは現在廃盤で入手困難なロックアルバムの中でも突出した傑作であり、なんとしても再発されねばならない1枚がこの“RORO”であると自分は思います。
もし再発するなら、できればレコードで欲しいっすけどね。
もしLP化したら家宝としてずっと持っておきたいくらいです。