2019年3月発売。最近購入。
Fender Custom Shopのビルダーである
Alex Perez氏が自身の8年間の構想を元に開発し、NAMM2019で発表した意欲作がこちらの“Powercaster”です。メキシコ製。
ちなみにアレックス・ペレス氏は、フェンダーと契約したギタリストが実際に使用する為の一品モノのギターを製作している重要な部門のマスタービルダーで、何やらスゴイ人らしいです。
JazzmasterやJaguarを意識してオフセット(左右非対称)のボディを採用しており、つまりパワーキャスターはジャズマスやジャガーの新たな兄弟ということになります。
ですが時間をかけてよくよく考えてみると、凄く機能的なスペックだなと思い直しました。
コンター(ボディ裏側の削り)が入ったオフセットボディは言うまでもなく弾きやすく、ハードテイルでツマミが2つの仕様はシンプルで直感的です。
PUセレクターは他のフェンダー製品と比べて珍しい位置にありますが、コードを掻きむしった際に絶対に当たらない位置づけにしてあるのではと考えます。
なのでおそらくパワーキャスターはコード弾きに特化している様にもに思います。
持った瞬間、何も考えずに掻きむしれます。
どのツマミがどのPUなのかとか何も考える必要のない、見ればわかるデザインは秀逸です。
大体のギターは弦に近いツマミがボリュームですし、PUセレクターは持った時に下側がブリッジ、上側がフロントです。
仕様ですが、ボディはアルダーで重量は平均的かちょい軽め。指板はパーフェローで、ネックはローステッドメイプルです。
この、ローステッドメイプルでパーフェロー指板ってのが2010年代後半の時代性を感じさせて自分的には惹かれるポイントですね・・・。
2017年にワシントン条約の規制によりローズウッドの使用が禁止され、2018年頃からパーフェロー指板が使用されることが多くなりました。
パーフェロー自体は見た目もサウンドもローズウッドに近い上に音の立ち上がりも良好とされ、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが気に入って採用した指板でもあったわけですが、人気はイマイチなんですよね。
原因は色味ですかね。
ですがローズウッドの規制により大活躍ですよ。
まぁ去年11月からローズウッドが解禁になったので今後どうなるかは不明ですが。
ローステッドメイプルも2010年代後半からの新たな流行で、2010年に
サドウスキーが始めた特殊な加熱、乾燥方法だそうです。
水分を極限まで飛ばすことで湿度に強くなり、反りにくく鳴りの良いネックに仕上がります。いいことだらけです。
自分も
他社でギターを特注した際にローステッドメイプルを選びました。触り心地も良いんですよね。
PUはフロントにP-90タイプ、ブリッジにハムPU。
自分はこのPUの並びが大好きで、最も機能的なのではと思ってる位です。
先述の特注したギターも、両方P-90だったのを最近リアハムに替えました。
ブリッジのハムは歪ませた時に心地良く、トーンのツマミもイイ仕事してくれます。
クリーンでも意外といけましたが、フロントのP-90タイプのPUが強く太いクリーンを鳴らしてくれます。歪ませても良い感じです。
以上、コレは確実に良いモノだと思います。
演奏上トレモロアームが要るとかPUセレクターが弾いてる手元に欲しいとかの事情がなければ非常にオススメです。あとは見た目を気にいるかどうかです。
ちなみに写真の灰色っぽいフィニッシュは一見地味ですが、よく見るとスパークルが入ってて弾き手には良い感じに見えます。自分は選べる3色の中でこのフィニッシュを選びました。
欲を言えばコレをSQUIERとかで廉価で出せれば、初心者が最初に持つ1台として最適な気がしますね。改造用にも良さそうですし。
今年も2月は平日に連日更新します。